抄録
近年,環境を重視した埋込み杭が都市部での杭施工の主流を占めている.本工法は,杭先端球根部において,埋込み杭の欠点である周辺地盤の緩みを解消するといった特徴を有しており,10例ほど現場試験が実施されているが,各地盤条件が異なることから定量的評価は十分にされていないのが現状である.そこで,埋込み杭における杭先端球根部の拡大作用による地盤への締固め効果が杭の鉛直支持力特性にどのように寄与しているかを調べ,杭基礎の設計に有用な知見を得ることを目的として,遠心模型実験装置を使用し,載荷に伴う先端抵抗力と周面摩擦力の発現状況について検討を行ってきた.