抄録
昨今の適用指針の改訂や、社会資本の機能拡充の必要性を考慮すると,基礎の耐力不足は否めないところがある.一般に基礎の補強工事は,比較的大規模になり工費・工期を要するため,施工実績は多くない.そこで,低コスト化および工期短縮を図ることができる基礎の耐震補強工法を提案することとした.本工法は,既設構造物基礎の周りに鋼矢板を所定の深さまで打ち込み,その内部を地盤改良により固化するものであり,水平および鉛直抵抗の増大を期待できると考えられる.本報文では,提案した耐震補強工法の定量的効果を検証するために行った試設計および解析結果について報告するものである.