抄録
地盤の液状化判定の際には、通常は地下水位以下の地盤の完全飽和を前提として行われる。しかし、不飽和状態では飽和状態の場合より液状化強度が高いことが知られている一方、地下水位の季節的・人工的なな変動、溶存ガスの溶出などにより、地下水位以下でも地盤が不飽和状態にある可能性がある。したがって、地盤の飽和度を加味した液状化判定ができればより合理的と思われるが、その前提となる地下水位以下の地盤の飽和度についてはまだ明らかではない。そこで、既存のPS検層によるP波速度データを集計・解析し、地盤は地下水位以下であっても上部数メートルは不飽和状態にある場合も多いとの結果を得た。