抄録
都市再生環状道路の一環として整備される阪神高速道路淀川左岸線(2期)の構造的な特徴としては、1級河川淀川の左岸堤防部の法尻の一部を開削し、函体を構築するものであり、スーパー堤防の暫定系と位置付けられている。この道路構造物および堤防本体の常時および洪水時の安全性を検討するために、静的な土・水連成粘弾塑性有限要素解析を行った。一部仮設材が残置される可能性もあるため、仮設材を含むものと含まないものの2種類の解析モデルを用いて解析を行った。この結果、仮設材残置が道路建設後の沈下量、水平変位や洪水時の流線網に及ぼす影響を把握することが出来た。また、地盤改良の要否を決定する有力な手がかりが得られた。