抄録
浚渫土を土砂処分場に埋め立てる際,体積を増やさないリクレーマ船(ベルトコンベア式揚土船)による揚土が行われている.ベルトコンベア上に生石灰による混合処理が試みられている.混合処理土を埋め立てたとき,アルカリ成分が捨石護岸を透過して,外部へ溶出することが考えられる.
捨石護岸の実寸法に対し比尺1:10~20の模型護岸を製作した.石灰混合土で埋めたて,護岸外側の水位を人工的に変動させ,外部海水のpH変化を測定した.その結果,護岸腹付け工がある場合,アルカリ溶出の影響は全く認められなかった.しかし,腹付け工を設けていない場合,埋立直後に海水pHの上昇が見られた.ただ,約2週間後に海水pHはほぼ自然値に戻ることが分かった.