抄録
本文は、環境重視の循環型社会の構築という観点から、ダム堆砂のリサイクル材料としての有効性について考察したものである。量および質の両面からダム堆砂のリサイクルの可能性について検討した結果、(1)堆砂量はストック・フローとも大きくリサイクルの可能性は高い、(2)質的にも性状区分に応じた種々のリサイクルが可能、(3)適切な処理によりリサイクルの可能性はより高まる、(4)コスト面からリサイクルは制約を受ける、等を明らかにした。総合土砂管理や循環型社会形成の点からもダム堆砂リサイクルは必要であり、そのための手法に関する知見の集積が重要である。