抄録
CT 画像上でフィリップスエレクトロニクスジャパン社製 Image Web Ver.1.3 を使用して二点間の距離および骨壁の角度を計測し、検討を行った。正常の上顎骨前壁は前方に向かって骨破壊と骨新生が同時に起こり骨壁の肥厚は起こらない。また、正常の上顎骨後壁は前方に向かう長軸方向に発育する。そして、正常の上顎骨後壁と内側壁の角度は 43°で加齢による角度の変化は認めない。歯槽突起の幅は年齢に関係なくほぼ一定であり、上顎骨は前方・外側および下方に発育し、20 歳前に終了する。しかし、炎症により上顎骨前壁での骨破壊と骨新生のバランスが崩れて骨肥厚が起こる。また、上顎骨後壁の長軸方向への発育は阻害され骨肥厚が起こる。そして、上顎骨後壁の骨破壊と骨新生のバランスが崩れて外側に向かう骨肥厚が起こり、内側壁との角度が大きくなると考えられる。