耳鼻と臨床
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56 巻, 1 号
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原著
  • 品田 恵梨子, 鈴木 衞, 河口 幸江, 西山 信宏, 萩原 晃, 小川 恭生, 河野 淳
    2010 年56 巻1 号 p. 1-7
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/04
    ジャーナル フリー
    半規管瘻孔は真珠腫性中耳炎の合併症の一つであり、手術症例の約 10%に認められると報告されている。内耳の開放は術後の骨導閾値を上昇させることがあると考えられていたが、病変の郭清によって術後に骨導闘値が低下したという報告もある。今回われわれは真珠腫性中耳炎で半規管瘻孔がみられた症例について検討した。対象は 1997 年から 2009 年までの 12 年間に東京医科大学病院耳鼻咽喉科で手術を施行した真珠腫性中耳炎症例のうち半規管瘻孔が観察された 19 例 19 耳である。初診時の主訴はめまいが最も多く、約半数を占めていた。ついで難聴、耳閉が 32%、耳漏が 21%であった。瘻孔症状があったのは 37%であった。瘻孔の大きさは 2 mm 以下を小瘻孔、それより大きいものを大瘻孔に分けると、大多数が大瘻孔であった。瘻孔の場所は大半が外側半規管であったが、後半規管の瘻孔が 1 耳あった。術前の気導聴力は 3 分法平均で 72.5 dB、骨導は 3 分法平均で 37.4 dB であった。瘻孔の大きさと聴力には関連はなかった。術後に骨導聴力が 10 dB以上改善した症例は 3 耳あり、うち 1 耳は 15 dB以上の改善であった。骨導が著明に悪化した症例はなかった。また、術後全例でめまいは改善した。
  • 高野 信也
    2010 年56 巻1 号 p. 8-14
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/04
    ジャーナル フリー
    CT 画像上でフィリップスエレクトロニクスジャパン社製 Image Web Ver.1.3 を使用して二点間の距離および骨壁の角度を計測し、検討を行った。正常の上顎骨前壁は前方に向かって骨破壊と骨新生が同時に起こり骨壁の肥厚は起こらない。また、正常の上顎骨後壁は前方に向かう長軸方向に発育する。そして、正常の上顎骨後壁と内側壁の角度は 43°で加齢による角度の変化は認めない。歯槽突起の幅は年齢に関係なくほぼ一定であり、上顎骨は前方・外側および下方に発育し、20 歳前に終了する。しかし、炎症により上顎骨前壁での骨破壊と骨新生のバランスが崩れて骨肥厚が起こる。また、上顎骨後壁の長軸方向への発育は阻害され骨肥厚が起こる。そして、上顎骨後壁の骨破壊と骨新生のバランスが崩れて外側に向かう骨肥厚が起こり、内側壁との角度が大きくなると考えられる。
  • 野田 哲哉
    2010 年56 巻1 号 p. 15-18
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/04
    ジャーナル フリー
    当科を受診した患者を対象として、乗り物酔いの頻度を調べた。男女とも 2 歳から乗り物に酔いやすい者がいた。最も頻度が高いのは、男では小学校高学年から中学生の約 30%で、女では小学校高学年から高校生の約 40%であった。成人でもある程度の頻度があり、70 歳以上の高齢者でも男 9.9%、女 15.8%とあまり減少しなかった。全体では男 13.4%、女 25.2%で、男女比はほぼ 1 : 2 であった。基本的には人間は乗り物に酔いやすいのではないかと考えられた。
  • 梅野 好啓, 門田 英輝, 安達 一雄, 井口 貴史, 福島 淳一, 梅崎 俊郎
    2010 年56 巻1 号 p. 19-23
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/04
    ジャーナル フリー
    ポリープ様声帯により呼吸困難を来した症例を経験した。まず緊急気管切開術を施行後、待機的に喉頭微細手術を施行した。術後病理検査にて膿瘍形成を認め、感染による病変の腫脹が上気道閉塞の誘因になったと思われた。高度なポリープ様声帯は感染を契機に上気道閉塞を来す可能性があり注意が必要と思われた。
  • 吉福 孝介, 松根 彰志, 馬越 瑞夫, 黒野 祐一
    2010 年56 巻1 号 p. 24-28
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/04
    ジャーナル フリー
    CT および超音波検査などの画像により頬部膿瘍と診断し、口腔内からの早急な切開排膿を試みた 1 例を報告した。炎症性疾患が疑われた場合、原因の検索および早急な治療開始が必要である。一方、基礎疾患の検索も同時に行い、合併症に糖尿病が認められた場合には、内科専門医との連携を図り血糖コントロールをすることが重要であると考えられた。
  • 三好 彰, 中山 明峰, 三邉 武幸
    2010 年56 巻1 号 p. 29-32
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/04
    ジャーナル フリー
    舌のしびれ感を主訴として三好耳鼻咽喉科クリニックを受診した、三叉神経鞘腫の 1 症例を報告した。本症例の確定診断に至る、頭蓋底に的を絞った MRI 撮影は、神経耳科学的スクリーニングに基づくものであり、画像診断前の神経耳科学的診断の重要性について、改めて認識させられた。
  • 三好 彰, 中山 明峰, 三邉 武幸
    2010 年56 巻1 号 p. 33-36
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/04
    ジャーナル フリー
    椎骨動脈の一側の奇形のために、下眼瞼向きの垂直性眼振を呈した 1 症例を報告した。特殊な病態であり、原因の追究は困難であったが、正確な神経耳科学的知識に基づいた所見の把握から、画像診断に結びつけることの重要性を強調せねばならない。反省を込めて、自覚症状をより正確に把握しておく必要性をも痛感した。
  • 小池 浩次, 山内 盛泰, 伊藤 彩, 熊本 芳彦, 中島 寅彦
    2010 年56 巻1 号 p. 37-41
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/04
    ジャーナル フリー
    扁桃周囲膿瘍は扁桃周囲間隙に生じた膿瘍であり、急性扁桃炎から続発することが多く、膿瘍が扁桃周囲間隙から副咽頭間隙、さらには深頸部から縦隔に至ることもある。起因菌は嫌気性菌や好気性菌の場合があり、多くのグラム陰性・陽性の好気性および嫌気性菌に抗菌活性を有するカルバペネム系薬剤は、扁桃周囲膿瘍の治療薬として臨床で広く用いられている。今回、カルバペネム系薬剤であるビアペネム (BIPM) を使用し奏効した扁桃周囲膿瘍の 3 症例を経験したので報告する。
臨床ノート
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