2010 年 56 巻 2 号 p. 54-59
九州大学病院耳鼻咽喉科にて2005 年 1 月から2008 年 12 月までに好酸球性副鼻腔炎と診断し、内視鏡下鼻・副鼻腔手術 (Endoscopic Sinus Surgery : ESS) を行った 35 例を対象に臨床的検討を行った。年齢は31 歳から73 歳 (平均 50.5 歳) で性別は男性 15 例、女性 20 例であった。20 例 (57%) に気管支喘息の合併が認められ、中耳炎を合併していた症例は 5 例 (14%) であった。RIST 陽性率は52%であったが、一定の傾向は認められなかった。血中好酸球は全例高値を示しており、術後は減少が確認された。初診時に嗅覚障害を認めた症例のうち、術後 28 例 (93%) に自覚的嗅覚の改善が認められた。術後 1 年以内に鼻茸の再発を認めた症例は 9 例 (26%) であり、アスピリン喘息合併例の多くに再発が認められた。