2011 年 57 巻 2 号 p. 42-48
2006 年2 月から1 年 5 カ月の間に当該医療機関を受診した慢性中耳炎急性増悪例 58 症例の耳漏を採取し、起炎菌を同定した後 7 種類の抗菌薬に対する薬剤感受性を調査した。52 例において 68 株が検出され、その内容は Staphylococcus aureus が最も多く 36 株 (52.9%)、Pseudomonas aeruginosa は 4 株 (5.9%) であった。S. aureus 36 株のうち 29 株 (80.6%) が ampicillin (ABPC) 耐性であり、うち 9 株 (25.0%) は oxacillin 耐性の MRSA でもあった。ABPC 耐性株 29 株のうち、minocyclin で 28 株 (96.6%)、levofloxacin (LVFX) で 18 株 (62.1%)、cefcapen および cefditoren では 16 株 (55.2%)、clarithromycin および azithromycin では 14 株 (48.3%) が感受性を示した。P. aeruginosa では 4 株のうち 3 株は LVFX に感受性を示したが、他の抗菌薬に対してはすべて耐性であった。