耳鼻と臨床
Online ISSN : 2185-1034
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原著
宮崎県の新生児聴覚スクリーニング事業 - 新生児聴覚スクリーニングセンターと難聴支援センターの実績 -
白根 美帆山本 麻代近藤 香菜子永野 由起牛迫 泰明東野 哲也
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2012 年 58 巻 3 号 p. 115-121

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抄録
宮崎県の新生児聴覚スクリーニング事業の特色は、新生児聴覚スクリーニングセンターの設立と「難聴支援センター」の活用である。新生児聴覚スクリーニングセンターにより、スクリーニング検査から療育に至る一連の流れを円滑にし、難聴児のデータの一元化を実現した。そして、「難聴支援センター」を中心に、難聴児の聴覚補償や聴能・言語訓練の環境を整備した。2010 年の事業実績として、県内の全分娩数の 86.9 %にあたる 10,342 人が産科スクリーニング検査を受け、0.54 %にあたる 56 人が要再検査判定 (refer) となり精密検査機関へと紹介された。そこから 21 人の両側難聴の子どもが「難聴支援センター」での療育へ移行した。最終的に、両側難聴 21 人の内 8 人が補聴器装用を開始し、難聴発現率は 0.1 %となった。
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© 2012 耳鼻と臨床会
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