2012 年 58 巻 5 号 p. 233-236
アミロイドーシスは原因不明の特定疾患である。喉頭アミロイドーシスは限局型アミロイドーシスの一つであり、治療や経過観察に関した指針が決定されていない。今回われわれは、短期間で再燃した AL 型喉頭アミロイドーシスの症例を経験した。症例は 75 歳の女性。右声帯腫瘤に対し前医にて喉頭微細手術を受け、病理組織検査でアミロイドーシスと診断された。5 カ月後に嗄声の増悪を認めたため当科へ紹介となった。術中所見では、アミロイドの沈着は声門上の広範囲にわたっており、マイクロデブリッダーを使用し、正常粘膜を温存し可及的切除を行った。この症例は前回手術から 5 カ月で再燃を認めており、喉頭アミロイドーシスに対し、手術で可及的切除を行うこと、外来での定期的な経過観察の重要性が示唆された。