抄録
石灰沈着性頸長筋腱炎は、頸部痛、嚥下痛、環軸椎前面の石灰化像を三徴とする疾患である。本疾患の認知度はまだ低いため、複数の診療科や医療施設を受診後に診断に至る症例が多い。今回、われわれは、他科受診後に耳鼻咽喉科で本疾患と診断した 33 歳、男性症例を経験した。そして、自験例を含めた本邦の本疾患報告例 35 例を対象として、最初にどの診療科を受診し、どの診療科で診断されたかを分析した。最初に整形外科を受診した症例が 16/35 例(46%)と最も多く、救急科を受診した症例が 6/35 例(17%)、耳鼻咽喉科を受診した症例、脳神経外科を受診した症例が各 2/35例(6 %)であった。診断した診療科は、耳鼻咽喉科が22/35例(63%)と最も多く、整形外科が11/35例(31%)、脳神経外科が2/35例(6 %)の順であった。本疾患の患者は、最初に整形外科を受診する症例が多く、耳鼻咽喉科で診断される症例が多いと判明した。