耳鼻と臨床
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原著
ブロー液投与後のモルモット側頭骨病理の検討
山野 貴史菅村 真由美樋口 仁美中川 尚志森園 哲夫
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2014 年 60 巻 6 号 p. 213-219

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抄録
ブロー液は 13% 酢酸アルミニウム溶液であり、外耳道炎や中耳炎などに対し使用されている。以前、われわれは内耳毒性について蝸牛複合電位を用いた動物実験で報告した。 蝸牛の組織学的な変化については、Suzuki らの蝸牛窓膜上に 1 時間または 2 時間投与し、 7 日後に側頭骨を採取した報告があるのみである。今回は、モルモットの中耳腔内にブロー液を投与し、30 分、24 時間、4 週間後に側頭骨を採取した。標本はヘマトキシリン・エオジン染色し、20 μm の厚さで連続切片を作製し、画像ファイリングソフトウェアで検討した。その結果、ラセン神経節細胞数の減少、タンパク質の析出は基底回転優位であり、蝸牛窓から内耳に浸透したブロー液は直接内耳に影響を及ぼし、時間とともに進行することが確認された。蝸牛窓膜は 4 週間後で菲薄化しており、酸の長期曝露により蝸牛窓の膜構造が侵蝕されたものと思われた。骨新生の原因は炎症により中耳粘膜の細胞が刺激されたためと推測された。
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© 2014 耳鼻と臨床会
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