耳鼻と臨床
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原著
ロイコトリエン受容体拮抗薬が無効な通年性鼻アレルギーの鼻閉に対するトシル酸スプラタストの効果
杉 宣 宏江浦 正郎
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2016 年 62 巻 1 号 p. 18-24

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抄録

ロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA)は鼻アレルギーの鼻閉に良好な効果を示すため重用されているが、時に無効な場合がある。今回、LTRA が無効な通年性鼻アレルギー患者に Th2 サイトカイン阻害薬であるトシル酸スプラタスト(ST)を投与し、鼻腔内を動画で記録・再生して鼻閉に対する効果を検討した。2013 年 5 月から 2014 年 5 月までに鼻閉を主症状とした鼻アレルギー患者 397 例に LTRA または ST を投与したが、このうち 45 例を通年性鼻アレルギーかつ LTRA が無効と判断し ST を投与した。解析できた 30 例のうち 17 例(56.7%)で効果が確認でき、そのうちの 13 例では 1 カ月以内に効果がみられた。下鼻甲介粘膜腫脹の重症(+++)、中等症(++)、軽症(+)での有効率はそれぞれ 6/7 (85.7%)、9/16(56.3%)、2/7(28.6%)で、重症例に効果が高かった。有効例でも急性上気道炎で一時的に悪化することがあった。ST は LTRA 無効の鼻アレルギーの鼻閉に有用と考えた。

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© 2016 耳鼻と臨床会
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