2016 年 62 巻 1 号 p. 25-32
口腔咽頭癌切除後の粘膜欠損に対して、PGA シートをフィブリン糊スプレーによって創部に付着させて被覆する Mucosal defect Covered with Fibrin glue and Polyglycolic acid sheet(以下:MCFP 法)は、術後の疼痛緩和・出血予防・瘢痕拘縮の抑制をもたらすとされており、当院でも適応症例に対して使用している。しかし、MCFP 法を施行した口蓋腫瘍症例において重篤な術後出血を来した症例を経験したことから、当科において 2010 年 4月− 2015 年 4 月に口蓋腫瘍に対し MCFP 法を施行した症例における術後出血について検討した。大口蓋孔付近に存在する口蓋腫瘍では、その使用には十分な注意を要すると考えられた。