2016 年 62 巻 2 号 p. 63-72
類上皮血管腫、別名 angiolymphoid hyperplasia with eosinophilia(ALHE)は、紅色丘疹や結節が頭頸部に発生する原因不明のまれな疾患である。今回われわれは、木村病との鑑別が難しく、かつ術前に動脈瘤が疑われた耳下腺深葉に発生した ALHE の 1 例を経験したため報告する。症例は 29 歳、男性で、左耳前部に 5.5 × 3.5 cm の拍動性腫瘤を認めた。MRI では、T1、T2 強調画像で淡い高信号を呈し、不均一に造影され、内部に flow void を伴う腫瘤を認めた。MRA では浅側頭動脈分枝の流入を認めた。耳下腺動脈瘤の診断にて摘出術を施行した。腫瘤は耳下腺深葉に位置し、血管の流入を認めた。切除標本の病理組織所見で、類上皮様に腫大した血管内皮細胞で裏打ちされた未熟な毛細血管の増殖を認め、間質に多数の好酸球やリンパ球の浸潤を伴っていた。免疫組織化学染色で腫瘍細胞に血管内皮マーカー(CD31 と CD34)陽性が確認され、類上皮血管腫の診断となった。術後 3 年経過するが、再発は認めていない。