抄録
舌癌再建術後は、舌根が 1/2 以上残存している方が、1/2 未満よりも、術後嚥下機能がよいことが分かっている。しかし、舌根が 1/2 以上残存していても、術後嚥下機能が悪く、経管栄養から離脱することに日数を要する人がいる。そこで、本研究では、嚥下造影検査での誤嚥量と経鼻胃管離脱(完全経口摂取)までの日数の検討を行った。対象は、2010 年から 2014 年の間に当科で舌癌に対して再建手術を行い、術後嚥下造影検査を行った 29 例とした。残存舌根量は 1/2 以上が 16 例、1/2 未満が 13 例、術後嚥下造影検査では、誤嚥なしが 11 例、少量誤嚥が 10 例、多量誤嚥が 8 例であった。誤嚥なしと少量誤嚥は経管栄養の離脱に平均 19 日を要したが、多量誤嚥は平均 36 日と有意に経管栄養の離脱日数が延長していた。術前・術中の舌根切除量だけではなく、術後の嚥下造影検査は、経鼻胃管離脱の予測に有用な検査であるということが分かった。