耳鼻と臨床
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症例報告
上咽頭に重症細菌感染症を合併した成人 respiratory syncytial virus(RSV) 感染症の 1 例
冨山 道夫
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2017 年 63 巻 3 号 p. 93-97

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抄録
症例は 35 歳、女性。39.5℃の発熱、摂食が困難な咽頭痛、頭痛を主訴に受診した。中咽頭粘膜に炎症所見を認めず、鼻咽腔内視鏡検査で上咽頭全体に膿を認めた。当院を受診する 7 日前に1 歳の息子が respiratory syncytial virus(RSV)感染症で治療した家族歴あり、鼻咽腔ぬぐい液より RSV 迅速診断を施行したところ陽性であった。血液検査で白血球数 16,000/μℓ (好中球82.1%)、CRP 12.1mg/dℓ と高度の炎症反応を認め、上咽頭の膿より Moraxella catarrhalis が 3+検出された。上咽頭に重症細菌感染症を合併した RSV 感染症と診断し、外来静注抗菌薬治療の適応と考え、ceftriaxone 2 g分 1/day 点滴静注を 3 日間行った。その後解熱し garenoxacin 400 mg 分 1/day を 5 日間内服し治癒した。本症例は急性上咽頭炎の治療において、家族歴の問診が重要であり、RSV 感染症を常に念頭におく必要があることを示していると考えられた。
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© 2017 耳鼻と臨床会
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