耳鼻と臨床
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症例報告
遷延する扁桃炎に類似した経過を示した悪性リンパ腫の 1 例
新里 祐一尾崎 美香山内 盛泰浦田 真吾
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2017 年 63 巻 3 号 p. 98-104

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抄録

血管免疫芽球性 T 細胞性リンパ腫(angioimmunoblastic T-cell lymphoma:AITL)は、比較的まれな末梢性 T 細胞性リンパ腫(peripheral T-cell lymphoma:PTCL)である。今回われわれは、咽頭痛・発熱にて発症し、急性扁桃炎に類似した局所所見を示した症例を経験したので報告する。症例は 75 歳、女性。咽頭痛・発熱にて発症。複数の医療機関の保存的治療にて改善を認めず、発症後 29 日目に千鳥橋病院耳鼻咽喉科に紹介受診。両扁桃に白苔を認めステロイド併用にて抗生剤点滴治療を開始したが症状の改善なく、皮疹が全身に広がり CT にて全身のリンパ節腫脹を認めた。画像上悪性リンパ腫の可能性が高いと判断し入院 4 日目にリンパ節生検を施行した。入院 6 日目に突然腹腔内出血を来し血圧低下を来したため、輸液および輸血を行い、全身状態の改善を認めた時点で血液内科のある施設に転院となった。化学療法を施行したが転院 7 カ月後に死亡した。

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© 2017 耳鼻と臨床会
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