2017 年 63 巻 6 号 p. 228-232
進行喉頭癌に対する喉頭全摘術の術後合併症の一つとして咽頭皮膚瘻があり、全身状態不良症例や化学放射線療法後の症例ではその発生率が高く治療に難渋することも少なくない。今回われわれは全身状態不良の 62 歳、男性の喉頭癌肉腫症例に対して喉頭全摘術を施行し、咽頭欠損部が大きく術後に咽頭皮膚瘻の発生が懸念されたため、頤下皮弁を用いて咽頭腔形成を行った 1 例を経験した。術後咽頭瘻孔は生じず経過は良好であり、喉頭全摘後の咽頭皮膚瘻の発生を予防するために頤下皮弁は有用な手技の一つと思われた。