耳鼻と臨床
Online ISSN : 2185-1034
Print ISSN : 0447-7227
ISSN-L : 0447-7227
原著
耳鼻咽喉科受診後に Fisher 症候群と診断された症例の初期の症状と現症の分析
木村 寛柴田 孝田近 洋介
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 65 巻 4 号 p. 101-105

詳細
抄録

Fisher 症候群(FS)は IgG 抗 GQ1b 抗体による運動失調、外眼筋麻痺、腱反射減弱または消失を三徴とする末梢神経疾患である。今回われわれは回転性めまいを主訴とした 70 歳女性の FS 症例を経験した。初診時に左側方注視眼振を認めた。さらに腱反射低下も認めた。経過中に外眼筋麻痺を認め FS と診断され上記抗体陽性であった。症状は免疫グロブリン療法で改善した。上記抗体が小脳脳幹にも影響し、回転性めまいを訴えたと推察した。また、耳鼻咽喉科受診後に FS と診断された報告例 12 例から FS の耳鼻咽喉科受診時症状と現症を検討した。ふらつきと複視が各々 5/12 例(42%)、回転性めまいが 2/12 例(17%)であ った。複視の 4/5 例(80%)は近医から副鼻腔炎による複視として紹介された症例であった。FS が耳鼻咽喉科を受診する際は平衡障害に関連したふらつき、めまいで受診する場合と副鼻腔炎による複視として受診する場合に大別された。

著者関連情報
© 2019 耳鼻と臨床会
次の記事
feedback
Top