2019 年 65 巻 5 号 p. 131-136
一過性に鼻咽腔閉鎖機能不全を生じることは比較的まれである。成人の場合には、水痘・帯状疱疹ウイルス感染を原因としたものが多く、小児例では原因不明のことが多い。小児例では、成人と比較して報告例は少なく、発症から症状が改善するまでの期間が短いため、詳細な経過は不明である。今回、われわれは小児の一過性鼻咽腔閉鎖不全を来した症例を経験し、鼻咽腔内視鏡検査および嚥下造影検査の所見で、鼻咽腔閉鎖機能の改善経過を確認することができた。時間的な関係からインフルエンザの関与が疑われるが、インフルエンザウイルス自体が直接脳神経に炎症を及ぼすことは考えにくく、迷走神経咽頭枝の炎症による影響が推測された。