2021 年 67 巻 2 号 p. 63-74
VBI は耳鼻咽喉科診療所にて、診断が困難な場合があり、現在、治療も確立されていない。日本めまい平衡医学会が作成した「めまいの診断基準化のための資料」の「病歴からの診断」にて VBI を診断、重症度のスコアリング(VBI スコア)を行った。今回、VBI の発症と重症化要因に、肩こりの関与の有無を検討した。めまい発症時に肩こりの検討をしていない VBI 症例に ATP +イブジラストにて加療を行った A 群と、めまい発症時に肩こりを自覚していた VBI 症例に ATP +イブジラスト+エペリゾン塩酸塩+キセノンレーザーにて肩こり加療を追加した C 群とを比較した。治療開始前の VBI スコア、DHI スコアは、C 群が有意差をもって A 群より高値であった。4 週後、両群の間に両スコアとも有意差はなかった。付加した肩こり治療は有効であった。C 群の僧帽筋の筋硬度は初診時から 4 週後に有意差をもって改善し、今回の結果を支持していた。