耳鼻と臨床
Online ISSN : 2185-1034
Print ISSN : 0447-7227
ISSN-L : 0447-7227
原著
病歴から診断した椎骨脳底動脈循環不全に対する肩こりの評価とその治療の有効性の検討
松吉 秀武山田 卓生小川 晋太郎後藤 英功
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 67 巻 2 号 p. 63-74

詳細
抄録

VBI は耳鼻咽喉科診療所にて、診断が困難な場合があり、現在、治療も確立されていない。日本めまい平衡医学会が作成した「めまいの診断基準化のための資料」の「病歴からの診断」にて VBI を診断、重症度のスコアリング(VBI スコア)を行った。今回、VBI の発症と重症化要因に、肩こりの関与の有無を検討した。めまい発症時に肩こりの検討をしていない VBI 症例に ATP +イブジラストにて加療を行った A 群と、めまい発症時に肩こりを自覚していた VBI 症例に ATP +イブジラスト+エペリゾン塩酸塩+キセノンレーザーにて肩こり加療を追加した C 群とを比較した。治療開始前の VBI スコア、DHI スコアは、C 群が有意差をもって A 群より高値であった。4 週後、両群の間に両スコアとも有意差はなかった。付加した肩こり治療は有効であった。C 群の僧帽筋の筋硬度は初診時から 4 週後に有意差をもって改善し、今回の結果を支持していた。

著者関連情報
© 2021 耳鼻と臨床会
前の記事 次の記事
feedback
Top