2021 年 67 巻 3 号 p. 175-182
髄膜腫は原発性脳腫瘍の中で最も頻度が高い組織型であり、頭蓋内へ向かって進展する例が多く、頭蓋外への進展を来す例はまれである。難聴を契機に診断された中耳腔進展を伴う髄膜腫の 2 例を経験した。症例 1 は 62 歳、男性。主訴は右難聴。右鼓膜から灰白色病変が透見された。CT・MRI にて右中耳から側頭骨頭蓋内にかけて連続する腫瘤性病変を認めた。外来にて鼓膜切開を行い、鼓室内腫瘤の生検を行い髄膜腫の診断を得た。その後、脳神経外科と合同で経中頭蓋窩法および経乳突法を用いて亜全摘術を行った。術後病理は術前生検と同様に髄膜腫の診断であった。症例 2 は 45 歳、女性。主訴は左難聴。左鼓膜から白色病変が透見された。CT・MRI にて左中耳から左後頭蓋窩にかけて腫瘤性病変を認めた。外来にて鼓膜切開の上、鼓室内腫瘤の生検を行い髄膜腫の診断を得た。中耳腔から頭蓋内に進展する腫瘍性病変として髄膜腫の可能性に関しても留意する必要がある。