耳鼻と臨床
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光電距離センサによる喉頭運動計測システムを使用した嚥下時の喉頭運動の評価について
土師 知行
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2021 年 67 巻 3 号 p. 200-210

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抄録

光電距離センサによる喉頭運動計測システム(ノドミル OE-NDMR01)を用いて嚥下時の喉頭運動を測定し、嚥下機能評価における有用性について調べた。健常な成人男性 4 名と成人女性 2 名で試行し、いずれも明瞭な喉頭運動曲線が得られた。この運動曲線のデータから嚥下機能評価の指標として、1 )喉頭最大挙上距離、2 )喉頭挙上・下降ピーク速度、3)喉頭挙上持続時間、4 )喉頭挙上到達時間を提案した。本システムは「喉頭隆起が不明瞭な例では測定が難しい」、「頸部を伸展して計測する必要がある」、「喉頭挙上位置での喉頭隆起を正確に検知できない例がある」、「絶対的な座標表示が難しく、VF でのデータと単純に比較できない」など改良すべき点もあるが、非侵襲で比較的安価であり、放射線被曝もなく、簡便にデータの集積が可能なため、嚥下のメカニズムの解明や、嚥下障害のスクリーニングあるいは嚥下リハビリテーションの評価に有用であると考える。

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© 2021 耳鼻と臨床会
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