耳鼻と臨床
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症例報告
抗結核薬投与で制御困難であった頸部 BCG 感染症の 1 例
木田 裕太郎松尾 美央子次郎丸 梨那橋本 和樹若崎 高裕安松 隆治中川 尚志
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2021 年 67 巻 5 号 p. 318-324

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抄録

BCG は、抗酸菌の結核菌群の一つである Bacillus Calmette-Guerin 菌を弱毒化したワクチンである。結核発病予防や膀胱癌治療に広く使用され、有効性は高く有害事象は少ない薬剤であるが、まれに重篤な感染症を引き起こし、診断や治療に難渋することがある。本症例は 84 歳の男性で、BCG 膀胱内注入治療から約 1 年後に左頸部に BCG リンパ節炎を発症した。2 カ月間の抗結核剤投与を行ったが、徐々に皮膚が自壊し深頸部膿瘍となったため、デブリードメントを行った。その後も抗結核剤の投与を持続していたが、デブリードメントから約 2 カ月後に感染性頸動脈瘤にまで発展した。BCG 感染症は、そのまれさ故、確定診断がつけにくく、その上治療法も確立していないため、治療にも難渋することがある。今回われわれは、BCG 感染症を経験し、その診断方法と治療方法について若干の文献とともに報告する。

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