耳鼻と臨床
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症例報告
仰臥位で聴力が改善した外リンパ瘻の 1 例
中野 貴史久保 和彦吉田 崇正小出 彩佳中川 尚志
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2021 年 67 巻 6 号 p. 381-385

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抄録

仰臥位で聴力が改善した外リンパ瘻の 1 例を経験した。症例は 54 歳女性で、初診 1 年前、飛行機搭乗時に右耳でポンと音がして右聴力低下を自覚した。初診 2 週間前、上を向いたときに動揺性めまいが出現した。脳神経内科で良性発作性頭位めまい症かメニエール病といわれるも改善なく、千鳥橋病院耳鼻咽喉科紹介受診となった。初診時、聴力は右 30.0 dB、左 15.0 dB、頭位によらず右向き眼振を認めた。瘻孔症状検査は右ではっきりとしなかった。さらに、仰臥位聴力検査にて、坐位で右 31.7 dB が仰臥位で 15.0 dB と改善したことから、右外リンパ瘻と判断した。安静入院ではめまいの改善がなかったため、初診 1 カ月後に右内耳窓閉鎖術施行したところ、正円窓から外リンパ液の漏出を認めた。術後にめまいは消失した。瘻孔症状検査陽性は外リンパ瘻を示唆するが、特異的検査ではない。坐位と仰臥位で聴力を比較することはどの耳鼻咽喉科でも可能であり、外リンパ瘻を検出する簡便な方法といえる。

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