今回、われわれは問診票を使用し患者希望に沿った抗ヒスタミン薬を処方することで、スギ花粉症患者の治療満足度の向上および症状改善につながるかを、一診療所にて検討した。対象症例は、12 歳以上のスギ花粉症 280 例である。問診票を使用することにより、問診票を使用しなかった前年に比べ、治療満足度の上昇が得られた(治療満足率 87.7%)。 症状改善については、初診群と再診群に分けて検討したところ、花粉飛散ピーク期(p < 0.001)、および花粉飛散後期(p < 0.001)において再診群の方が鼻症状スコア、日常生活支障度いずれも改善を認めた。本検討から問診票を活用することにより患者の治療満足度が向上し、さらに治療効果も得られることが示された。また、再診時の同処方を継続希望の割合は 89.4%であり、初診時に問診票を活用し患者と十分な情報共有が行うことで、COVID-19 パンデミック下で増加したリモート診療の際にも、有用になると考えられた。