耳鼻と臨床
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原著
入院加療を行った扁桃周囲膿瘍について
宮城 司道宮本 雄介甲斐 智朗村上 一策
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2022 年 68 巻 4 号 p. 258-265

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抄録

2016 年 10 月から 2019 年 3 月までの 2 年 6 カ月に当科で治療された扁桃周囲膿瘍 153 例の患者データで後ろ向き分析を行った。年齢分布は 8 − 87 歳で中央値 35.5 歳、性別は男性 108 例、女性 45 例であった。罹患則は右側が 79 例(51.6%)、左側が 66 例(43.1%)、両側が 8 例(5.2%)で喫煙者は 69 例(45.1%)であった。画像診断は口蓋垂で境界し、最長の膿瘍径の部位で上極型・下極型に分類した。膿瘍径が15 mm 以下では保存的治療を優先した。抗生物質の選択に関しては、SBT/ABPC が好気性、嫌気性、および薬剤耐性菌をカバーする幅広い抗菌スペクトルを持っているため、単剤として使用することで十分な効果が期待できると思われた。

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© 2022 耳鼻と臨床会
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