2022 年 68 巻 4 号 p. 308-316
スイミング・スクールにおける水泳指導の難聴児に与える精神的影響、ならびに難聴児の平衡機能未発達などへの身体的影響を議論した。ワールデンブルグ症候群による高度難聴の 1 例においては、平衡機能未発達に好影響が推測され、さらに地域社会への溶け込みも促進されたものと判断できた。全国難聴児を持つ親の会へのアンケート調査では、調査法の限界から平衡機能改善は示唆されるにとどまった。それ以外の面では水泳指導は、難聴児親子にさまざまの好影響を与えることが判明した。ただしそれらの利点については認識が行き渡らず、難聴児はその福音を必ずしも十分に享受できていないように思われた。今後、より一層の地道な調査が重ねられ、社会一般に難聴児の水泳指導に関する啓蒙が行き渡る必要がある。