2022 年 68 巻 5 号 p. 352-358
症例は 12 歳、男児。出生直後よりチアノーゼが出現し、喉頭ファイバースコピーで声門下狭窄の診断となり、他院で緊急気管切開術が施行された。以後、気管カニューレを近医で適宜交換し、経過観察されていたが、積極的な治療介入はなされていなかった。今回、気管孔閉鎖希望があり、当院へ精査加療目的に紹介受診となった。術前の CT では軟骨腫や軟骨肉腫も疑われ、声門下狭窄症に対して、喉頭戴開下声門下喉頭狭窄切除手術および T チューブ留置術を施行した。摘出標本は腫瘍性病変ではなく、軟骨組織との診断であり、輪状軟骨の anomaly による先天性声門下狭窄と診断した。術後経過は良好であり、術後約 3 カ月で T チューブを抜去し、術後約 1 年 4 カ月で気管孔閉鎖に至った。今回、先天性声門下狭窄に対して、外科的治療が奏功した 1 例を報告するとともに、同疾患の発生・病態についても若干の文献的考察を交えて提示する。