内視鏡下経口的咽喉頭手術(transoral videoendoscopic surgery:以下 TOVS)により腫瘤の全摘が可能であった下咽頭血管奇形症例を報告する。症例は 80 代、女性。X − 12 年に下咽頭に腫瘤を認め、下咽頭血管奇形の診断で顕微鏡下喉頭微細手術(KTP レーザーでの焼灼術)を施行したが、X − 4 年時に下咽頭から隠見する腫瘤を認め、X − 1 年 9 月から血痰を繰り返すため再手術を希望した。X 年 2 月、FK-WO リトラクターと先端彎曲型内視鏡を併用した TOVS を施行し、腫瘤の全摘を行い得た。病理診断は静脈奇形であった。術後 1 年経過時点では咽頭異常感もわずかで嚥下困難もなく、腫瘤の再発を認めていない。咽頭の血管奇形に対しては、これまで各種レーザーによる焼灼術や硬化療法などが報告されているが、全摘を目指す治療ではなかった。新規デバイスの出現により、咽頭血管奇形の治療は大きく進歩してきている。