2023 年 69 巻 1 号 p. 36-41
近年罹患数が減少傾向にある結核性中耳炎は結核菌が空気感染するため早期診断が望ましいが、診断に時間を要することが多い。今回われわれは診断困難であった結核性中耳炎の症例を経験したので報告する。症例は 76 歳、男性で慢性中耳炎として保存的に加療を開始したものの改善が乏しく、難治性中耳炎の精査を行ったが、確定診断に至らなかった。さらに上咽頭に出現した白苔様病変から結核菌が検出されたため、結核性中耳炎の診断に至った。本症例で診断を困難にした要因を検討することでより早期の診断が可能になると考えられた。