2023 年 69 巻 2 号 p. 129-133
喉頭平滑筋肉腫はまれな喉頭悪性腫瘍である。症状は非特異的で診断に難渋し、治療法は確立されていない。今回われわれは喉頭平滑筋肉腫の 1 例を経験した。症例は 57 歳、男性。保存的加療に反応しない左声帯ポリープとして来院した。左声帯前方 3 分の 1 に粘膜下腫瘍を認め、ラリンゴ所見では左声帯嚢胞が疑われ嚢胞開放術を施行した。術後 1 カ 月で再発し、ストロボスコピーで左声帯全体の粘膜波動消失を認めたことから、粘膜下悪性腫瘍を疑い、再度ラリンゴマイクロ下に腫瘍切除し、喉頭平滑筋肉腫の診断に至った。治療法として治癒切除を検討し、喉頭垂直部分切除術を選択した。術後半年経過するが、局所再発なく経過している。過去の文献では喉頭全摘術を選択することが多いが、腫瘍の進展範囲が治癒切除可能な場合は、術後の音声機能温存の観点から喉頭垂直部分切除術も治療の選択肢に加えるべきと考えられる。