耳鼻と臨床
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症例報告
グロムス腫瘍の 4 例
真鍋 敬宏野田 哲平小宗 徳孝土橋 奈々松本 希中川 尚志
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2023 年 69 巻 2 号 p. 89-96

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抄録

2016 年から 2021 年にかけて当科で手術を行った側頭骨グロムス腫瘍の 4 例について報告する。4 例の内訳として鼓室型 2 例、頸静脈球型 2 例に対し治療を行った。鼓室型の 2 例では拍動性耳鳴を認めた。術前聴力検査では 3 例で患側の聴力低下と気骨導差を認めた。頸静脈球型のうち 1 例では生検、切除、再手術と 3 回の手術を必要とした。血管塞栓術は鼓室型、頸静脈球型それぞれ 1 例ずつ施行し、すべての症例において、術前後の神経脱落所見は認めなかった。1 例は残存病変があるものの増大なく経過しており、その他 3 例は再発・再々発なく経過している。グロムス腫瘍は血流豊富であり、栄養血管の塞栓や高周波バイポーラの使用が安全な手術に有用と考えられる。

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© 2023 耳鼻と臨床会
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