2023 年 69 巻 3 号 p. 160-168
緊張部型真珠腫の多くは、経外耳道的内視鏡下耳科手術(以下 TEES)でわずかな骨削開を加えることによって明視下操作が可能となる。2015 年 9 月より、われわれは緊張部型真珠腫に対する基本術式を TEES としている。今回、2010 年 1 月から 2020 年 3 月までに久留米大学病院耳鼻咽喉科で手術を行った緊張部型真珠腫初回手術例 115 耳について検討を行った。これらの症例を日本耳科学会中耳真珠腫進展度分類 2015 年改訂案に基づいて進展度を分類し、術式選択、聴力成績、遺残・再形成再発率について検討した。手術成績は TEES 導入前群(n=61)と TEES 導入後群(n=54)の間で比較を行った。TEES 導入後群では症例の 74%が TEES 単独による手術を行われた。TEES の導入後に聴力成功率が改善する傾向を認めた。TEES 導入前群と TEES 導入後群における遺残再発率と再形成再発率は同等であった。