耳鼻と臨床
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症例報告
経外耳道的内視鏡下耳科手術で鼓膜の意図的浅在化を行い、拍動性耳鳴が消失した頸静脈球型グロームス腫瘍の 1 例
三橋 亮太佐藤 公宣田中 久一郎川口 壽比古深堀 光緒子黒岩 大海小野 剛治千年 俊一梅野 博仁
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2023 年 69 巻 3 号 p. 190-198

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抄録

頸静脈球型グロームス腫瘍症例(GJT)の根治切除は困難なため、多くの症例では経過観察を選択した結果、持続性の拍動性耳鳴に悩まされる。今回われわれは GJT に対して、姑息的手術を行い拍動性耳鳴が消失した症例を経験した。症例は 67歳、女性。右拍動性耳鳴を自覚し、右鼓膜下象限に接する赤色の拍動性腫瘤を指摘された。画像検査の結果、右 GJT(Fisch 分類:Class C2)と診断した。下位脳神経麻痺を認めず、wait and scan の方針となったが、3 年後に拍動性耳鳴により不眠とうつ病が悪化した。経外耳道的内視鏡下耳科手術(transcanal endoscopic ear surgery:TEES)で鼓膜の意図的浅在化を行い、手術直後より拍動性耳鳴が消失した。鼓膜の意図的浅在化は根治切除困難な GJT の拍動性耳鳴に対する治療として有用であると考えた。

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© 2023 耳鼻と臨床会
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