耳鼻と臨床
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原著
他機関で補聴器購入後に当院で補聴器再調整が必要になった 2 例の検討
蔦本 伊緖里宮地 英彰森田 紘生立野 綾菜北村 匠加賀 勇輝
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2023 年 69 巻 5 号 p. 341-349

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抄録

当院では耳鼻咽喉科医師・言語聴覚士・認定補聴器技能者が連携し、多数のメーカーのフィッティングソフトを準備し補聴器診療を行っている。今回持参補聴器の装用効果に不満を訴え当院受診し再調整を行った 2 例を検討し、適合不十分の原因について検討した。補聴器適合検査の指針(2010)の中の(1)語音明瞭度曲線の測定、(3)実耳挿入利得の測定、(5)ファンクショナルゲインの測定による適合評価を行った結果、本検討の適合不十分の原因は 2 例ともに補聴器のレシーバーおよび耳栓の選択の誤りと調整の不適が原因と考えられた。その後 2 例ともに耳栓とレシーバーの種類変更と出力調整を行い補聴器適合検査で適合となり、装用効果の改善を得た。今回の検討から補聴器の装用効果に不満を訴え医療機関を受診する要因の一つとして補聴器の利得・出力不足があり、補聴器のレシーバーおよび耳栓の選択の誤りや調整の不適がその原因になり得ると考えられた。

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