2023 年 69 巻 6 号 p. 438-443
開放性喉頭外傷は比較的まれであるが、その治療に際しては緊急気道確保と喉頭機能温存を念頭においた適切な治療計画が必要となる。今回われわれは、二期的修復により喉頭機能を温存し得た開放性喉頭外傷の 1 例を経験したので報告する。症例は 43 歳男性で、仕事中にコンクリートの破砕機から飛んできた鉄の棒がのどに刺さり受傷した。喉頭浮腫に伴う気道狭窄のため、緊急気管切開を施行され、甲状軟骨縦骨折および頸椎横突起多発骨折を認めたため当院転院搬送となった。喉頭前壁から下咽頭後壁にかけて広範囲に粘膜損傷を認めており、損傷の程度から一期的修復は困難と判断し、喉頭皮膚瘻作成後の二期的修復を行った。術後は気管切開孔を閉鎖し、発声、常食摂取も問題なく可能となった。