2023 年 69 巻 6 号 p. 433-437
GCSF 製剤誘発性大動脈炎は、GCSF 製剤使用後比較的急性期に起こるまれな疾患で、CT によって診断されることが多い。基本的に予後良好で無治療経過観察が可能だが、既存の大動脈瘤がある場合や画像所見が増悪した場合には、大動脈瘤破裂を念頭に心臓血管外科へのコンサルテーションが必要な疾患で、感染性大動脈炎等の他疾患との鑑別に迷う場合も多い。症例は 67 歳、男性。喉頭癌 T2N2bM0 Stage Ⅳ a に対し、導入化学療法を施行する際に持続型 GCSF 製剤 pegfilgrastim を併用したところ、投与 2 日後の血液検査で原因不明の CRP 高値を認めた。後日の CT で大動脈周囲の炎症が判明したため、GCSF 製剤誘発性大動脈炎と診断した。CRP 高値と CT で判明した大動脈周囲の炎症所見は無治療経過観察で自然軽快した。大動脈での炎症が長期に持続し、大動脈解離に至った報告もあり、注意が必要な疾患である。