耳鼻と臨床
Online ISSN : 2185-1034
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原著
口蓋扁桃摘出術における術後出血リスク因子の検討
前原 宏基田浦 政彦木村 翔一坂田 健太郎打田 義則妻鳥 敬一郎末田 尚之坂田 俊文
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2024 年 70 巻 1 号 p. 1-8

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抄録

口蓋扁桃摘出術における術後出血は気道閉塞を生じる危険性があり、時に致死的となるため最も注意を要する合併症の一つである。当科で施行した両側口蓋扁桃摘出術 176 例を対象に、術後出血の割合や時期、リスク因子に関する検討を行った。リスク因子として、原疾患、年齢、性別、喫煙歴、高血圧症あるいは糖尿病の既往、抗凝固薬・抗血小板薬の服用、末梢血中の血小板数、扁桃周囲膿瘍の既往、結紮、癒着、手術時間について検討した。術後出血は 53 例(30.1%)に認めた。その中でも全身麻酔下での止血操作を要したものは 5 例(2.8%)であった。術後出血のリスク因子に関して、有意な関連性を認めたのは手術時間のみであり、手術時間≧ 90 分に術後出血が多いという結果となった。

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