2024 年 70 巻 1 号 p. 32-43
慢性副鼻腔炎の概念は、鼻茸の有無で大きく分けるこれまでのフェノタイプという臨床的分類から、分子標的学研究により、特定の機序や分子バイオマーカーに基づく 1 型、2 型、3 型という 3 つの主な炎症エンドタイプ分類が確立され、その病態的機序に基づく治療法も大きく変化している。2 型炎症性慢性副鼻腔炎の代表的疾患は、好酸球性副鼻腔炎であるが、これまでの細菌性慢性副鼻腔炎とは違う臨床症状を示し、2 型と非 2 型は、それぞれ、病態の中心となる炎症細胞や疾患概念が大きく違うため、その保存的治療法や内視鏡下鼻副鼻腔手術(ESS)の手技まで大きく違う。慢性副鼻腔炎の約半数が 2 型炎症性で、ほかのエンドタイプ合併を合わせると約 7 割の慢性副鼻腔炎が 2 型炎症に関与している。さらに、特に鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎の約 9 割が 2 型炎症に関与している。本邦では、好酸球性副鼻腔炎の症例数は増加の一途をたどり、近年では、これまでの古典的治療法では改善できない慢性副鼻腔炎症例が増加している。本論文では、好酸球性副鼻腔炎で代表される 2 型炎症性慢性副鼻腔炎について、病態を解説した上で、診断へのアプローチについて述べる。さらに、その適切な治療法(ステロイド局所療法、ESS の方法、生物学的製剤)について解説する。