耳鼻と臨床
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症例報告
経翼口蓋窩法で摘出した再発性の蝶形骨洞内反性乳頭腫症例
車 哲成渡邊 督有元 真理子楊 鈞雅川出 由佳小川 徹也藤本 保志
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2024 年 70 巻 4 号 p. 195-206

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抄録

蝶形骨洞に発生する鼻副鼻腔内反性乳頭腫は、比較的少ない。内反性乳頭腫の治療の第一選択は手術により腫瘍を完全に摘出することである。蝶形骨洞は解剖学的に脳神経Ⅱ-Ⅵ、内頸動脈、海綿静脈洞などの重要な構造物が存在する。手術の際にはこれらの構造物を損傷せずに腫瘍を摘出することが必要である。さらに蝶形骨洞側窩まで進展した腫瘍の摘出方法について、詳細に述べられた報告は少ない。今回われわれは、右上顎洞および左蝶形骨洞に内反性乳頭腫が同時に発生した 53 歳の女性に対し、内視鏡下副鼻腔手術(ESS)による摘出術を行った。術後の経過観察で左蝶形骨洞乳頭腫の再発を疑い、初回手術から 1 年 4 カ月後に左翼口蓋窩経由による内視鏡下手術で左蝶形骨洞側窩まで進展した乳頭腫を摘出した。蝶形骨洞側窩まで進展した乳頭腫の摘出は可能なら ESS で行うべきである。しかしながら腫瘍の性状により翼口蓋窩経由による腫瘍摘出も考慮すべきである。

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