耳鼻と臨床
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原著
当科における口腔癌術後の嚥下障害に関する臨床的研究
益永 拓也田浦 政彦木村 翔一坂田 健太郎前原 宏基打田 義則妻鳥 敬一郎末田 尚之坂田 俊文
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2024 年 70 巻 5 号 p. 248-254

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抄録

口腔癌の進展度、切除範囲によって嚥下機能は大きく影響を受け、嚥下障害は患者の生活の質(quality of life:QOL)にかかわる。2017 年 3 月から 2022 年 8 月までに福岡大学病院耳鼻咽喉科で口腔癌に対して手術を行った 85 例について後ろ向きに検討した。術前と術後の嚥下機能を比較したところ、術後は嚥下不良群の増加、LEDT の延長、喉頭挙上距離の低下を有意に認めた。病期は Stage Ⅳ、T 分類は T3 以上の症例、亜部位は口腔底で嚥下不良群が有意に高くなった。術式は下顎骨区域切除、舌可動部半切以上、気管切開術・再建手術・頸部郭清術の実施によって嚥下不良群が有意に増加した。経管栄養期間が 120 日を超えた症例は 3 例のみでその他の症例は 60 日以内に経管栄養を終了した。経管栄養日数が延びるほど誤嚥のリスクが上がるため、胃管の早期抜去や交換は重要であり、経管栄養期間が長期になることが予想される症例では胃瘻造設などを早期に検討する必要がある。

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