耳鼻と臨床
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症例報告
耳下腺腫瘍との鑑別に苦慮した結節性筋膜炎
大嶋 秀美吉崎 智一
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2024 年 70 巻 5 号 p. 278-283

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抄録

症例は 48 歳、男性。左耳下部の腫脹を主訴に前医を受診した。超音波検査と造影 CTにて、左耳下腺内に咬筋との境界が不明瞭な約 4cm の腫瘤を認め、精査加療目的に当院に紹介となった。造影 MRI では T1 強調画像で骨格筋と等信号、T2 強調画像で高信号の分葉状腫瘤を認めた。針生検では異形細胞を認めなかった。多形腺腫や悪性腫瘍を鑑別に挙げ、左耳下腺浅葉部分切除術を行った。病変は深部で咬筋に一部癒着していたため、同部位の咬筋を合併切除した。免疫染色を含めた病理検査で結節性筋膜炎と診断した。結節性筋膜炎は急な増大や周囲組織との境界不明瞭な所見から悪性腫瘍との鑑別が問題となる良性疾患である。拡大切除による合併症を避けるため、境界不明瞭な耳下腺腫瘤を認める場合には、結節性筋膜炎を鑑別する必要がある。

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