2025 年 71 巻 1 号 p. 28-34
エナメル上皮腫は良性の歯原性腫瘍であるが、比較的再発することが多い腫瘍である。再発しやすい要因として、年齢(若年発症)、腫瘍の大きさ、発生部位、病理組織型、治療方法の選択などが挙げられている。われわれは、若年発症し、再発を繰り返した上顎エナメル上皮腫を経験したので、若干の文献的考察を加えて報告する。症例は 48 歳、男性。14 歳時に初回手術を施行し、14 年後に再発を認め、その後は複数回の手術を行った。6 年前に再発した腫瘍が増大し頭蓋底まで進展したため手術加療を行った。腫瘍は硬膜に癒着、眼窩内に一部侵入していた。腫瘍を完全摘出し、腹直筋皮弁で上顎洞欠損部を充填した。今後も再発する可能性があり、継続経過観察中である。