2025 年 71 巻 2 号 p. 66-72
2008 年 8 月から 2024 年 4 月までに当院において声帯麻痺と診断した 138 例について臨床統計的検討を行った。術後性 29 例(21.0%)、非術後性 60 例(43.5%)、特発性 49 例(35.5%)であった。主訴は、一側性麻痺症例 123 例のうち、嚥下困難 28 例(22.8%)、呼吸困難 9 例(7.3%)、その他 86 例(69.9%)であった。両側性麻痺症例 15 例のうち、呼吸困難 7 例(46.7%)、嚥下困難 2 例(13.3%)、その他 6 例(40.0%)であった。一側性麻痺の症例に嚥下困難が多い傾向にあったが、両側性麻痺と比較し、嚥下困難に有意な差はなかった。呼吸困難については両側性麻痺の方が、一側性麻痺と比較し、有意に多く認めた(p < 0.01)。初発の声帯麻痺症例について、即時に頸胸部 CT を 45 例に対して施行した。緊急性を要する疾患とされたものが 11 例(24.4%)認められた。初発の声帯麻痺症例については即時に頸胸部 CT を施行していくべきと考えられた。