耳鼻と臨床
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症例報告
中・外耳の炎症所見に乏しい頭蓋底骨髄炎の 1 例
真喜志 康孝真栄田 裕行鈴木 幹男
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2025 年 71 巻 3 号 p. 127-131

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抄録

中耳や外耳の炎症所見に乏しい非典型的な頭蓋底骨髄炎の 1 例を経験した。糖尿病の既往を持つ 73 歳、男性が右耳痛および頭痛を主訴に受診した。MRI T1 強調画像にて骨髄信号の低下を認め、既往と症状、および画像所見から頭蓋底骨髄炎が疑われた。以前の不十分な悪性外耳道炎の治療により、側頭骨の炎症の部分的な改善を認めた一方で頭蓋底深部には炎症巣が残存していたと思われ、同部からの波及により頭蓋底骨髄炎を発症したと推察された。本症例のような耳内所見を伴わない頭蓋底骨髄炎では、MRI 撮影による評価の重要性がうかがえる。幸い抗菌薬の感受性は良好で、症状の寛解を得ることができた。

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