2025 年 71 巻 4 号 p. 157-166
兵頭スコアは嚥下内視鏡検査(VE)による標準的評価法として広く使用されているが、喉頭侵入・誤嚥の程度は十分に反映されていない。本研究では、VEでの喉頭侵入・誤嚥の程度をpenetration-aspiration scale(PAS)に準じて評価し、兵頭スコアに組み込んだ兵頭PAスコアを提案し、その有用性を検討した。嚥下障害患者223例を対象に、食形態との相関およびROC分析による食形態選定の精度を評価した結果、兵頭PAスコアは兵頭スコアよりも食形態との相関が強く、特に経口摂取の可否の判定精度が高いことが示された。一方、半固形食の摂取可否には両スコア間で大きな差は認められなかった。適切な食形態の選定には、水分の喉頭侵入・誤嚥評価に加え、とろみ水やゼリー嚥下の所見、意識レベル、認知機能、栄養状態などの全身所見を含めた総合的評価が必要であり、その統合方法の検討が今後の課題である。